くま先生の鍼灸院

子育て中のママさんを応援するくま先生の鍼灸院から子育てなどに役立つ健康情報や東洋医学についてなどをお知らせいたします。

「整体」の基本的な考え方をお話ししておきましょう。というお話

今日から更年期障害の話を書いていこうと思いますので、

その前に「整体」の基本的な考え方を書いていきたいと思います。

整体を含む東洋医学は、

人間のからだや心の動きを、体表に現れた変化を通じて知っていこうとします。


つまり、からだの表面に現れた変化を観察するわけです。

診察の技術としては顔色を見たりすることもあるのですが、

整体ではからだの「動き」にポイントをおきます。


ここでいう「動き」とは、その人が無意識のうちにとっている動きや癖のことです。

たとえば、人は緊張すると肩が上がり、

手に力が入って抜けなくなりますね。

肩が上がっているときは呼吸が浅くなる。

それが長くつづくと胃を壊したり、ぜん息など呼吸器の病気の原因になります。

また、手に汗をにぎるような緊張がくりかえされると、

神経系統に異常が起こって、精神的に不安定になったりします。

 

整体では、さまざまな無自覚・無意識の動きの「かたより・ゆがみ」が、

からだの内側(臓器の機能・神経系統の働き・血液の循環など) に影響を与えて、

いろいろの病気や心の悩みをつくりだしてしまう。

そのかたより・ゆがみを正すこと(整えること) によって

からだと心が整い、元気がよみがえると考えています。

整体では、背骨の変化を観察することを、とりわけ重要視しています。

たとえば、背骨のある骨がとくに飛び出しているがために、

その人は独特の体型になる事があります。。

セキがよく出る人は、胸椎3番・4番という背骨が飛び出したり

硬くなってしまいます。

そうすると、背中が丸くなり、肩の力が抜けないで硬くなって、

ゆるまなくなってしまうのです。

喘息の人、呼吸器の弱い人は、みんなそういう体形をしています。

その飛び出している二つの骨を調整していくと、

背すじが伸びて姿勢がよくなります。


いくつかある調整法の一つを説明すると

胸椎3番・4番と直接関係するのが、胸鎖乳頭筋という首すじにある筋肉です。筋肉の末端にある鎖骨堝(鎖骨のすぐ上のくぼみ)を、蒸しタオルで温シップすると、

こわばっていた鎖骨織がゆるんでやわらかくなります。

その影響で、飛び出した胸椎3番・4番が元にもどっていきます。

こうして、姿勢が変わっていけば病気も治っていく。

つまりは、その胸椎3番・4番は呼吸器の「急所」なんだ・・・というようにして

全身を見ていくわけです。
いまのはほんの一例でして、

整体は、とても細かい人間観察を必要とされるものです。

あの背骨とこの背骨のゆがみ方の組み合わせで、

からだの内部にはこれこれこういう変動が起こっている、というぐあいに、

いろいろなバリエーションを経験的に見つけてきました。

それらのうちの実証されたものだけが、精緻な体系としてまとめられ、

その体系が整体と呼ばれているのです。